扁桃炎の手術を受けるまで。
20代のある時期から突然、毎月のように扁桃腺が腫れて高熱が出るようになってしまい、体力的にも精神的にもかなり辛かったため、扁桃を取る手術を受けることにしました。
手術を受けるまでは、いつも喉の痛みに怯え、鏡で喉の奥をしょっちゅう確認していました。
熱が出ている間はただ苦しんで寝ているだけで何もできませんでした。
解熱後も体調はすぐ元に戻らず倦怠感で苦しむ日々でした。
毎月の半分は常に体調が悪い状態。
毎月、看病してくれる家族に申し訳ないですし、予定していた大事なイベントが延期になることもしょっちゅうでした。
職場に休みの連絡をするのはいつも後ろめたい気持ちでした。
コロナを疑われたり、ズル休みだと白い目で見られている気がした。
そして、半年以上続いたそんな生活についに耐えられなくなったので、人生で初めての入院&手術を受ける決意をしました。
大人になってから、扁桃炎に悩まされている方、手術を考えている方の参考になれば幸いです。
大人の扁桃腺を取る手術について
入院の費用(値段)はいくら?
入院費は約6〜10万円(限度額認定証の手続き後)ほどです。(※個室料金等の自費分は除く)
入院費用は収入によります。
会社で限度額認定証を発行→病院で費用を確認してください。
その他にかかった費用としては、術前検査や通院費で5〜6千円ほど、また入院(1週間分)に必要な物品購入費でした。
入院期間は何日?タイミングは?
術後出血の危険を考え、今は1週間くらい入院するのが一般的なようです。
手術のタイミングは熱の出ていない時です!笑。
発熱していると手術できません。
私は一度延期になりました(泣
仕事の都合まで考えていると永遠に手術が受けられないので、ある程度は仕事を諦めました。
急な高熱で迷惑をかけることが一切なくなることを考えれば、職場の理解は得られるのではないかと思います。
この年齢で入院&手術は珍しいので、嫌な顔するより、驚いて心配されました。
手術の日程は?手術は何時間?
私の病院では、前日に入院し、翌日に手術という日程でした。その後、傷跡の観察のため1週間入院しました。手術時間は1時間程度で終わりました。
手術後の1週間は、やることがなく暇でした笑
手術のデメリット(全て一時的)
手術後の痛みと痰。
手術後はもちろん傷跡の痛みがあります。と言っても、痛みのレベルは扁桃炎と同じくらいで、痛みどめを飲んで対処していました。
痛み自体は扁桃炎と同じくらいで「なんだこんなもんか」という感じでした。
痛みのピークは手術直後よりも、退院してから治りかけのカサブタが取れる時でした。
また手術直後は、大量の痰が出て辛かったです。
手術直後は常に痰が出続けて、ベッドの頭側を少し上げて寝ないと痰で窒息しそうでした。水平になれないので眠りにくかったです。
ただし、退院する頃には水平でも寝られるようになっていました。
痰を切る薬を飲むと、だいぶましになったのでおすすめです!
ご飯を食べる&水を飲むのにひと苦労
術後から数週間は食事に苦労しました。
痛みがなくなるまで、食べ物は細かくして何度も噛んで食べる必要があったので、1回の食事にとても時間がかかるのが大変でした。
傷跡に当たらないように食べるのに苦労しました。
また術後は一時的に、水を飲んだり、うがいをする動作が苦手になりました。
気を抜いているとプールで感じたあのツーンとする感じがしました。
水は少し上を向くと飲みやすかったです
ただ、これらの症状は全て一時的で、3週間後までには、ほぼ元通りに飲食できるようになりました。
声が出にくい、うまく喋れない。
術後しばらくは、口が大きく開けづらく鼻にかかるような声が出ていました。
特に仕事での接客や電話対応では声が聞き取りづらいことがあり、相手に申し訳なかったです。
これも1ヶ月ほどで以前と同じように普通に会話できるようになりました。
今思い返すと「そんなこともあったかなぁ」と思う程度です笑
一時は後悔。予想外の味覚障害。
私が術後に一番びっくりしたことは、味がわからなくなってしまったことです。
退院後に(術後1週間くらい)、濃いはずのカップ麺がまるでお湯を飲んでいるかのようで味覚障害を自覚しました。
味覚障害は命に別状はなくても結構辛いんですよね。
このまま一生、味を感じられなかったら?とその時は少しだけ手術したことを後悔しました。
診察で先生に聞いてみても、入院中は特に自覚がなかったので、手術器具の圧迫等、手術が直接の原因とは考えにくいとのことでした。
手術が直接の原因ではないでしょう
食生活の変化のせいかもしれません
一番考えられる原因は、手術後の痛みで普段通りの食事が取れず食生活がガラリと変わってしまったことで必要な栄養分がしっかり取れていないのではないかということでした。
味覚障害の原因は亜鉛不足なことが多いそうで、亜鉛の血液検査をしたところ基準値以下でした。
普段から亜鉛が不足しがちだったのが、手術が誘因となって味覚障害の症状として出てしまったのかもしれません。
普段から味音痴なのは亜鉛不足?
できることはやってみようと思い、亜鉛を摂取することにしました。
亜鉛は薬として病院でも処方してもらえますが、病院に通うのが面倒なので自分でサプリを購入していました。
DHCのものは安価で亜鉛の含有量も高いのでおすすめです。
そして3ヶ月間くらい亜鉛のサプリを飲み続けたところ、一進一退はありましたが、無事に味覚が回復しました。
かさぶたと傷跡のその後(写真)
手術直後には白いかさぶたができ、傷跡は1ヶ月ほどかけて徐々に目立たない状態になっていきました。
※手術の傷跡の写真が出てくるので閲覧注意!
気持ちのいいものではないので、苦手な方は見ないでください。
手術を受けて1年以上たった今。
率直に言って、今は手術を受けてよかったという達成感しかないです。
手術後の検査結果は以下のように書かれていました。
リンパ組織で、胚中心拡大を伴うリンパ濾胞過形成が認められる。高度のリンパ球浸潤を認める。
摘出した扁桃の組織診断報告書より
先生の解説によると、つまり扁桃で非常に強い炎症反応が起こっていたということでした。
体が相当大変だった証拠だよ、摘出して大正解だったね。
勇気を出した自分の判断が正しかったと認められて嬉しかったです。
手術のデメリットは全て一時的であり、その後には生活の質(quality of life)が格段に上がる結果となりました。
喉の痛みに怯えることも、高熱や倦怠感で苦しむことも、職場に白い目で見られることも、大事なイベントを延期にする必要も、全部なくなりました。
私と同じように、大人になってから扁桃炎に悩まされている方、手術を悩まれている方へ。
ほとんどの方にとって人生初めての入院&手術であり、時間や体の負担も考えると、手術を決意するのはとても勇気が必要だと思います。
しかし度重なる扁桃炎に何度も、人生の貴重な時間と体力を奪われる生活を余儀なくされているのなら、一度手術を検討してみることをおすすめします。
手術の負担は1ヶ月程度ですが、慢性扁桃炎の負担は毎月ですからね。
最後までお読みいただきありがとうございました。